サラバ―ズの『文学のススメ』という曲を「受け取る」ために音楽解釈の記事も今回で5本目になりました。キリが良いので、まずはここらで今までの記事を振り返ってみます。私がブログで扱う曲は、曲調や年代は多岐にわたるものの、共通する点が1つありました。それは「音楽と歌詞の相乗」です。それは、「曲というのは、音楽だけでも歌詞だけでもダメなんだ」ということであり、言い換えれば「曲において、音楽と歌詞は相補的な役割を担っているべきである」ということなのです。最初に扱ったのはたまの『電車かもしれない』でした。「音楽と歌詞の相乗」という概念をここで初めて提示するために、「音楽だけ聴いても歌詞だけ読んでも意味の分からない曲」のわかりやすい典型例として選んだ曲だったのです。26Mar2017音楽
『ひるね姫』感想 〜継承される夢と発見する自己【ネタバレ】正直言ってかなり不器用な作品です。「考えるな、感じろ」という語り方をしていることは間違いないのですが、「感じる前に考えてしまう」作りになってしまっています。結果として、「面白い部分もあったけど、結局何の話だったのかよくわからない」というような、それこそ「寝起き」のような感想になりがちです。実際、私もそうなりました。ただ、本作が何か重要なことを伝えている気がするのも事実です。夢というモチーフと、そこで展開される魔法をめぐる物語。それが全編を通して確かに主人公の現実や物語とリンクしていき、同時に「親子の物語」という小さな物語が、より大きな物語ともリンクしていく構造。不器用ではありながらも、何かを伝えようとしている気がするのです。従って、...18Mar20172017年映画アニメ